Top | 研究室紹介 | メンバー紹介 | アクティビティ | 学会投稿案内 | リンク | English


    ”ブロック暗号RC5 RC6の安全生に関する研究”


     ネットワーク網が発達し, 世界中でインターネット端末が爆発的に増え続けてい る. それによって, これまでの電子メール, WWWに加え, インターネットショッ ピング, 電子オークションやバーチャルユニバーシティなどの新しいサービスも 提供され始めている. それに伴い 盗聴や成りすましなど ネットワーク上の犯 罪も年々増加している. そのような犯罪を防ぎ, 誰もが情報の漏洩を危惧するこ とのない仮想社会を構築する上で, 情報セキュリティは最も重要なテーマの一つ である. その情報セキュリティ技術の中で, 暗号技術は根幹の一つとなっている.

     暗号の目的は, 二人の人が安全でない通信路上で安全に通信することである. 暗号は, 大きく分けて二つの種類に分けられる. 共通鍵暗号と公開鍵暗号 である. 共通鍵暗号とは, 暗号化鍵と復号鍵が同じ暗号のことで, 両方とも秘密 に保持する必要がある. それに対し公開鍵暗号は, 暗号化鍵と復号鍵が等しくな く, 暗号化鍵を全世界に公開することが出来るのが特徴である. 一般的に, 共通 鍵暗号の処理速度は, 公開鍵暗号の速度よりも格段に速い.

     RC6は, 1998年にRivestらによって提案された 共通鍵暗号の一つであり, その前 バージョンであるRC5のデザインを元に設計されている. 高い安全性を持ち, さらにソフトウエア実装における高速さと省メモリ性を兼ね備えた暗号であ ると言われている. RC6は ヨーロッパの暗号標準化プロジェクト ``NESSIE'', や日本の電子政府用暗号評価プロジェクト''CRYPTREC''において, 評価候補として認められている暗号の一つである. そのため, 世界中の暗号研究者がRC6の性能に興味を持ち, 解析が盛んに行われている. そ の性能評価の中で最も重要となるのが, 安全性の評価である.

     本稿では, ブロック暗号RC5とRC6の安全性について解析する. 特に, 2000年に KnudsenとMeierによって提案された 相関攻撃 (χ^2-攻撃) に焦点を絞り, 相関攻撃に対する RC5およびRC6 の安全性を調査する.


    【戻る】