日時: 平成19年09月21日(金) 14時30分 -16時30分

      場所: 本学情報科学研究科講義棟 大講義室

      講演者氏名: 松井 充
          講演者所属機関・部局・役職名: 三菱電機情報技術総合研究所 情報セキュリティ技術部 部長

      講演内容:On the Power of Bitslice Implementation on Intel Core2 Processor

      ブロック暗号のソフトウエアによる高速化手法である「ビットスライス 実装」を、Intel の新しいプロセッサ Core2 に適用した結果を報告する。 ビットスライス実装はこれまで RICS プロセッサで特に有効性が実証 されてきたが、一方 PC では下記の理由であまり利用されることがなかった。 (1) PC プロセッサはレジスタが少ないため、ビットスライス実装では   メモリアクセスの頻度が多く、これが速度のボトルネックになる。 (2) ビットスライス実装は特殊なデータフォーマットを利用するので、   既存の実装とデータの互換性がない。 本講演では Core2 プロセッサで大幅に強化された SIMD 整数命令を用いて (1) (2) の課題がともに克服できることを示す。またこの結果 KASUMI が 通常の実装の4倍高速化できること、また AES でも既存の結果よりも高速な 実装がビットスライスで実現できることを示す。 ビットスライス実装は、キャッシュ攻撃のようなサイドチャネル攻撃に 対して安全であるため、今後実用面でもますます重要になると考えられる。


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