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    ”共謀問題のモデル化とその評価に関する研究”


     多数のユーザが共謀し,秘密情報を暴くという共謀問題は1998年にSteven H. Lowと Nicholas F. Maxemchukにより,共謀問題の一般的モデルが発表された. しかし,このモデルでは,全ての秘密鍵を共謀者同士で共有したり,情報量制御など により共謀経路に制限が加えられている場合を考慮していないという問題点がある. 更なる問題点として,Lowらのモデルは通信プロトコル実行が終了した後に共謀を実 行するというモデルになっているためより強力な通信中の共謀攻撃を考えることがで きないという点が存在する.
     そこで,これらの問題点を踏まえた上で2つの新たな共謀問題のモデルを提案し,そ れぞれのモデルについて共謀が成功する条件について考察を行なう.

     本稿では,はじめに本研究の背景を述べ,次に既存の研究として,Lowらにより提案 された共謀問題のモデルについて詳しく述べ,その問題点を指摘する. その後,提案モデルとして,秘密鍵について共有を行なう鍵と行なわない鍵について 分け,また,共謀の条件を改良し有向グラフを用いることで,一方向への通信路にお ける共謀についても考慮したモデルを提案し共謀の成功する必要十分条件について考 察する.
     次に第二の提案モデルとして,非共謀者を定義することにより通信プロトコル中の共 謀を考慮したモデルを提案し,共謀が成功する必要条件について考察を行い最後にま とめとする.


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