研究室運営方針

宮地研究室では、情報セキュリティ技術の基盤研究機関として,最新の研究成果と優れた研究開発者の輩出を運営方針に掲げています. 研究においては,理論研究成果の提供のみならず実用化をターゲットにした企業との共同研究も行い,シーズ指向とニーズ指向の双方向から情報セキュリティ技術の発展に貢献します. 人材育成においては,セキュリティ全般の知識のみならず,問題解決能力,プレゼンテーション能力の開発を行っています.

研究概要

近年の電子社会の進展につれて、多様な応用システムが実現されようとしています.電子カルテ,電子住民票,ディジタル放送,その全てが電子化社会の一形態です. これらが安全に運用されるには,情報セキュリティの技術は不可欠と言えます. 宮地研究室は、当初より情報セキュリティ技術の研究を進めており、特に核となる秘匿,完全性,認証技術の研究と、その応用としてソフトウェアのセキュリティ、 電子商取引、コンピュータウィルス対策、セキュリティ評価基準の研究等を行っています。 主な研究テーマは,暗号基盤研究,セキュリティプロトコル,セキュリティモデリングの3つであり,研究室のメンバが3チームに分かれ互いに関与しながら,幅広く最先端の研究を行っています.

  • 暗号基盤研究
    セキュリティに幅広く利用される基盤暗号理論の研究や,すでに実用化中、あるいは標準化段階にあるセキュリティ技術の評価を行います.
    例) 共通鍵暗号,公開鍵暗号,次世代公開鍵暗号(量子暗号)の理論安全性解析,消費電力等を利用した実用安全性解析への耐性手法の提案や効率的な暗号の構築など.
  • セキュリティプロトコル
    社会システムの電子化におけるセキュリティの問題を暗号基盤研究,アルゴリズムを応用し解決すると共に,プロトコルにより従来にない高機能化やe‐ビジネスのブレークスルーを図ります.
    例) 電子オークション,電子入札,電子契約システムなどの構築など.
  • セキュリティモデリング
    ソフトウエア,ネットワークのセキュリティホールを現実の利用に則してモデル化し,計算量理論,解析理論,暗号理論等を用いて,モデル化の安全性・効率性の評価を行います.
    例) 耐タンパソフトウエア,DOS 攻撃に対するトレースバック,モバイルエージェントの新手法の研究など.

人材育成

修了後、社会に出て十分活躍できるよう、独創性と 協調性を兼ね備えた人材の育成に当たっています。学生は自ら 研究題材を模索して解決すべき問題点の発見とその解決法を 提案し、毎日のように研究室内で議論を交わしています。実装 という形で提案方式を具体化することも重視し、知識と技術の バランスのとれた人材になれるように、スタッフ一同一丸となって サポートしています。

国際化

世界を視野に入れた研究ができるように、各国で行われる国 際学会への積極的な発表を推進。国際学会で発表により、 学生は他では得られないような経験を積むことができ、 これからの人生においての自信にもつながると考えています。 また、そのような場所で国際交流をはかることにより得られる ボーダレスな人脈も修了後社会に出ていく学生にとってはか けがえのない財産となります。

外部講演・研究会開催

研究活動の活性化のために、企業や大学で活躍されている 研究者を招いて外部講演会を開催しています。これによりホット な話題を学生に知ってもらうとともに、見聞を広めてもらうことを 目的としています。 また著名な方との交流を深める目的のため に,講演者を囲んでの懇親会を実施しています. また,社会との接触の機会を増やすために, 宮地研究室が主体になりセキュリティ研究会の開催も行っています.

環境整備

理想的な研究及び人材育成を行うため、それらに必要な環境 設備を随時整えています。コンピュータ環境はもとより、研究に よるストレスを感じさせないような環境作りを心がけています. 99 年度より,レイアウト変更を行い,各学生領域の完全ブース化, リフレッシュコーナ,図書コーナ(thinking corner) を設置しました. 大学から支給されるWSに加えて,研究室から 学生一人にノートPCやデスクトップPC 1.2 台を貸与.各種リフレッシュ機器の投入や各種新聞(日経,日経産業,日刊工 業,朝日),各種雑誌(日経ビジネス,日経エレクトロニクス, 日経コミュニケーション,ビット,各種学会誌)の常設など,絶えずソフト的な環境 の向上に努めています.

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