効率的な放送型暗号に関する研究
近年進んでいる地上波デジタル放送や Blu-ray Disc など視聴覚メディアのデジタル化に伴い, コンテンツ保護技術すなわち DRM (Digital Rights Management) が重要視されている. DRMの一つである放送型暗号は一斉配信される暗号化コンテンツを許可されたユーザのみ復号できるが, 許可されないユーザは復号できないシステムを実現する. 放送型暗号の効率は暗号文のオーバヘッド,ユーザの秘密鍵長及び復号に要する時間の3つの評価量に より評価される. ユーザは新規加入や解約に伴い追加・削除が行われるため,ユーザの増加・減少の変動が,すでに配分 されたデコーダなどのユーザ端末に独立であることが望ましい. さらに,ユーザ数の増加に伴い,上述の3つの評価量がユーザ数に依存しないような放送型暗号が必要である. 想定されるユーザ数が多数のシステムに適用可能な放送型暗号の提案を目的として研究を行っている.
研究内容
放送型暗号の鍵配布方法の一つである SD 法におけるユーザの鍵導出手法の改良,ユーザの配置される木の 構成の改良.
一方向性関数の性質を利用した,鍵の導出を検討する.
木の構成における階梯構造の部分集合の構成による,各ユーザの秘密鍵の削減を検討.