インターネット上で情報交換したい場合に,第三者の盗聴による情報漏洩を防ぐ必要がある.このような被害を防ぐため に通信内容が暗号化される.一般的に効率性の観点から共通鍵暗号方式が用いられている.これはグループを構成して行う 通信(グループ通信) においても同様である.グループ通信ではグループ全員が秘密鍵を共有する必要があるため,各ユーザ に対し効率的に鍵を配布する必要がある.
 既存研究では木構造を基にした方式が提案された.これは3者鍵共有及び2者鍵共有をサブルーチンとして再帰的に求める ことにより任意の数のユーザで鍵を共有する.鍵共有においては,参加するユーザは時間と共に変化するためユーザの 追加・削除が重要となる.しかし,追加・削除する場合にユーザの配置木を変更したのちに鍵更新が必要になり,効率が悪い. 本研究ではユーザの追加・削除時に影響を受けるユーザ数を最小にし,効率よくユーザを追加・削除する方法を提案する. また,改良したときの安全性についても検討する必要がある.安全性の定義は攻撃者が追加・削除時に作成される通信データ が攻撃者に漏れたとしても,グループセッション鍵を得ることができないことである.しかし,ユーザの追加・削除の効率が 悪いことから効率よくユーザを追加・削除できるようなモデルを再検討・再構築する.

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