ハッシュ関数に関する研究
ハッシュ関数は任意長の系列を固定長の系列に変換する関数であり,改竄の検知などに用いられて,広く暗号で使われている.ハッシュ関数を構成する方法として圧縮関数を繰り返してハッシュ値を計算する方法がよく用いられている(反復型ハッシュ関数).圧縮関数の構成法としては,SHA-1 などの専用の構成法とブロック暗号を利用する構成法がある.ブロック暗号を圧縮関数に用いたハッシュ関数には主に単ブロック長ハッシュ関数と倍ブロック長ハッシュ関数が挙げられる.単ブロック長ハッシュ関数はハッシュ値の出力の長さがブロック長と等しく,倍ブロック長ハッシュ関数は出力がブロック長の2 倍のハッシュ関数である.本研究では効果的な倍ブロック長ハッシュ関数について提案し,安全性について評価する.