近年情報通信技術は急速な発展を遂げており,社会のシステムにおいて必要不可欠な存在になってい る.多様な情報が行き交うようになり,情報の安全性に注目が集まっている.暗号技術は情報通信におい てデータの機密性,完全性,可用性を保持するための必須要素である.共通鍵暗号の暗号化の手順には, ARX(Addition-Rotation-XOR) と呼ばれる bit 加算,巡回シフト及び排他的論理和のみを用いた構造が採 用されることが多い.この構造が採用されている暗号に対して,差分解析と線形解析を組み合わせた差分 線形解析を利用して,安全性の解析を行い,より安全な暗号の構築に寄与することを目的とする.本研究 では,共通鍵暗号の中でも,ストリーム暗号の ChaCha の線形近似式に焦点を当て,既存の論文における 誤りを修正し,一般化を行った線形近似式に関して,その正当性を示す.

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